自家発電設備が発電する仕組み!初期励磁機と発電機。

アイデアを閃いた
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消防設備点検の中で、
時々目にする非常用自家発電設備。

商業施設など、
不特定多数の人たちが利用する建物などで、
万が一、
停電時に火災が発生してしまった場合。

そんな時でも、
消火栓やスプリンクラーが使えるように発電設備が設置されていることがあります。

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そんな非常用自家発電設備を点検する機会があっても、


発電機がどうやって電気を発生させるのか?


理解できている人はかなり少ないはず。



それから、
発電機の無負荷運転と実負荷運転の違いってなに?



この疑問も
発電機が電気を発生させる仕組みがわかれば理解できるようになります。

まずは、
発電機が電気を発生させる仕組みからみていきましょう!



自家発電設備の仕組み





非常用自家発電設備は、
エンジン部分(ディーゼルエンジン)とモーター部分(発電機)に分けられます。

大雑把に言うと
このモーターは内側の電磁石と外側のコイルによって構成されています。


停電になると、
停電を感知する不足電圧継電器から起動信号が入り、
エンジンが起動します。


エンジンが駆動すると、
エンジンのクランクシャフトを介してモーター(電磁石)も回転。

モーター(電磁石)が回転することによって
外側にあるコイルに電圧が発生します。


こうして発生した電圧を、
停電によって電気が送られなくなった回路に送ることによって
消火栓などのポンプ運転用の電源などに利用できるようになります。


これが簡単な自家発電設備の仕組みです。

それでは、
このモーター部分を詳しくみていきましょう。



モーター(発電機)部分の構造



初期励磁用と発電用コイル



モーターの内部は、
初期励磁用と発電用に分かれています。


発電機の外装
外装部分の説明
内側部分の説明


初期励磁とは

まずは小さな発電機部分(初期励磁機)で電流を発生させ、
その電流を大きな電磁石に流すことによって強い磁力を発生させる。

その強い磁力を使って
今度は発電用コイルに大きな電圧を発生させる。

こうしてできた大きな電圧を
非常用の電源として送り出します。



フレミングの法則を覚えているでしょうか?


磁力の中で銅線に電流を流すと、
銅線が動く。

逆に、
磁力の中で銅線を動かすと
銅線に電流が発生する。


これはとても重要なので
覚えておいてください。



初期励磁用の電流を送る



初期励磁用の電流を送る配線

自家発電設備の制御装置から、
モーターに向かって初期励磁用の電流を送ります。



一般的に、
制御盤の中にあるJKという配線が
この初期励磁用の配線となっています。

また、
このJとKは発電機から発生する電圧を調整する為の
自動電圧調整装置(AVR)から配線が接続されています。

このJとKの配線に送る電流を自動電圧調整装置(AVR)が自動的に調整することによって
200Vや400Vなど、
設備に適した電圧に調整しています。



発電機を運転しても電圧が発生しない場合は、
この自動電圧調整装置(AVR)の故障も考えられます。




初期励磁用電流で電磁石を作ります



初期励磁用の電磁石
初期励磁用電磁石の解説

自動電圧調整装置(AVR)から送られた電流は、
モーターの外側部分にある初期励磁用電磁石に送られます。

この電磁石に電流が流れると
内側に向かって磁力を発生させます。



磁力の中でコイルが動くと



初期励磁用コイル

内側にあるこの初期励磁用コイルが電磁石によって作られた磁力の中を
エンジンの駆動によって回転します。


コイルに与えられる磁力

磁力の中をコイルが動き続けるため、コイルに電流(交流電圧)が発生します。
(※フレミングの法則)


ここで発生した電流は交流です。

交流は、
プラスとマイナスの向きが常に入れ替わる為、
このままでは発電用の電流として使いにくいです。



ダイオードで交流を直流に変換します



ダイオードの仕組みについてはこちらをご覧ください。
半導体とは?P型、N型半導体の仕組み(電気の基礎知識)
ダイオードの整流作用とは?(電気の基礎知識)


正面から見た発電機内部
発電機に取り付けられたダイオード


初期励磁用コイルに発生した電流(交流電圧)を
ダイオードの整流作用によって直流に変換。

この直流電流を発電用の電磁石に向かって流します。


直流電流の方向


発電用電磁石で磁力を発生



発電用電磁石

送られた直流電流によって、
この発電用の電磁石に磁力が発生します。



磁力によって電圧が発生



発電用コイルに向かって磁力が発生

今度は、
初期励磁の時とは反対に、

内側から外側に向かって磁力が発生します。


エンジンによって磁力を発生したまま電磁石が回転。

外側のコイル(発電用コイル)は動いていなくても
磁力の中をコイル(銅線の束)が動いていることになる為、

コイルに大きな電圧が発生する。


発電機の配線


これが、
自家発電設備が電圧を発生させる仕組みです。



無負荷運転と実負荷運転の違い



無負荷運転とは?



無負荷運転とは、
負荷(消火栓のポンプなど)がなにもない状態のことをいい、
モーター(発電機)に発生する電磁力も弱い為、
エンジンが力を持て余している状態です。

余力を持った状態だと
エンジンの爆発も弱いので温度があまり上昇しません。


温度が上昇しないので
軽油や重油などの燃料が完全に燃焼されず
未燃焼ガスとしてマフラー内部などに溜まってしまいます。


その為、
この未燃焼ガスが溜まりすぎてしまうと、
マフラー内で爆発が起こってしまうこともあります。



実負荷運転とは?



実負荷運転とは、
実際の停電時を想定して常用電源を切り、
発電機からの電気を利用して設備の運転を行うことをいいます。


電気が送られると、
配線の抵抗や設備が消費する電気によって
電圧降下が発生します。


電圧降下が発生すると、
自動電圧調整装置(AVR)は電圧を上げようと
電流を多く流します。


すると、
電流が増えたことによって
磁力が強くなりエンジンに負荷がかかります。


エンジンに負荷がかかると
エンジンは負荷に追いつこうと燃料をたくさん噴射し
爆発の力を強めます。


爆発が強くなると
エンジンの温度が高くなり排気温度も上昇します。


すると、
温度の上昇した排気ガスが未燃焼ガスも温めるので
一緒にマフラーから排出されます。


実負荷運転を行うと
未燃焼ガスが排出され綺麗になるので
安全の為にも実負荷運転の実施が望まれます。


また、
実際に発電機からの非常電源で設備を動かすため、
配線やモーターの接続間違いを発見することもできます。


以上が実負荷運転のメリットとなり、
実負荷運転が推奨される理由です。







なんとなく発電機の仕組みがわかっていただけたでしょうか?

自家発電設備を理解する為には、
このほかにもエンジンの仕組みや電気に対する理解を深めなければならないので
ハードルはかなり高いと言えます。

なかなか消防点検だけだと技術や知識を習得するのは容易ではないですよね。



仕組みがわかってくると面白みも出てきますので
この記事を実務にも役立てていただければと思います。

以上、
自家発電設備についてでした。

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